一昔前であれば、「コーヒー」と注文するだけで、後はキリマンジャロやブルーマウンテンなどの豆の種類から選ぶパターンがほとんど。
面倒な場合は「ブレンド」、後はアイスもしくはホットのどちらかを注文すれば、問題ありませんでした。
ところが時代が移り変わり、古くからの喫茶店よりもカフェと呼ばれるお店を見かける機会が増えてからは、様々な種類が登場するようになりました。
今回取り上げるエスプレッソもそのひとつであり、純喫茶などで古くから親しまれてきたコーヒーは、ドリップコーヒーとして区別されています。
ここでは、知っているようで案外知られていない、エスプレッソとドリップコーヒーの違いについて解説していきます。
この記事の目次
ドリップコーヒーとは?
ドリップコーヒーは、挽いた後のコーヒー豆に対して、少しずつお湯を注ぐことでお湯そのものの重さの圧力を利用しながら、フィルターを通してコーヒー液を抽出するやり方です。
フィルターは大まかに分けて紙製(ペーパー)と布製(ネル)があります。
紙製のフィルターを使ったものが「ペーパードリップ」で、布製のフィルターを使ったものが「ネルドリップ」です。
ペーパードリップで淹れたコーヒーは、細かい豆の粉がフィルターを通りにくいことから、比較的スッキリとした透明感のある風味となることが多いようです。
一方、ネルドリップで淹れたコーヒーは、ネルシャツなどの生地に使われるネルを使うことから、ペーパーよりもお湯がゆっくりと通ることと、目の粗さから細かな粉も通過しやすいという2つの理由から、マイルドでまろやかな風味となる傾向があります。
エスプレッソとは?
エスプレッソは、エスプレッソ用に細かく粉状に挽いた豆を、エスプレッソマシンと呼ばれる専用の機器を使用して、お湯に高い圧力をかけることで抽出する方法で淹れられるコーヒーです。
エスプレッソコーヒーは、1800年代はじめにイタリアで産声をあげてから、アメリカを経由して日本に伝わりました。
エスプレッソを初めて注文した時に、出されたコーヒーを見て、「カップが小さい」「量が少ないのでは?」と思った人もいるのではないでしょうか?
1800年代はじめのイタリアでは、当時イギリスから輸入していたコーヒー豆の輸入ができなくなっていました。
その苦肉の策として、少ないコーヒー豆で淹れたことが、エスプレッソ誕生のきっかけといわれています。
デミタスカップやエスプレッソカップと呼ばれる小さめのカップが使われていることも、「カップが小さい」「量が少ないのでは?」と感じる要因かもしれません。
エスプレッソは20秒から30秒の短い時間で一気に抽出することから、コーヒーの持つ本来の旨味だけをしっかりと引き出すため、深みのあるコクが特徴です。
淹れたてのエスプレッソであれば、上から順番に「クレマ」「ボディ」「ハート」と呼ばれる3つの層を目で楽しむこともできます。
ただしその3層がキープできるのは、10秒程度のため、見逃さないためには注意が必要です。
エスプレッソの抽出方法
エスプレッソは前述したように、専用のエスプレッソマシンを使って抽出します。
機器を使用するとはいっても、使う豆はもちろんのこと、豆の量や抽出にかける時間、お湯の温度など、バリスタと呼ばれる淹れる人の好みや工程などが、総合的な風味となって表れます。
エスプレッソを自宅で楽しみたいのであれば、手軽に作れる「 ドルチェグスト 」や「 ネスプレッソ
」がおすすめ。
価格や手間を考えればかなりお手頃ですし、味も美味しいです。国内でもかなり普及しているエスプレッソマシンです。
エスプレッソとドリップコーヒーのカフェイン量の違い
1.焙煎による違い
コーヒー豆は、焙煎が深煎りになればなるほど、カフェイン量が少なくなる傾向があります。
反対に浅煎りになればなるほど、カフェイン量は増えていきます。
そのため浅煎りから深煎りが使用されるドリップコーヒーと比べて、深煎りを使うエスプレッソの方がカフェイン量は少ないです。
2.使用する量による違い
コーヒー豆は使う量が多くなればなるほど、カフェインの量も比例して増えていきます。
1杯につき7グラム~15グラム使用するドリップコーヒーよりも、1杯あたり7グラム程度の豆の使用量のエスプレッソの方がカフェインの量が少ないということになります。
3.湯温による違い
コーヒーを淹れる際のお湯の温度も、カフェインの量に影響されます。
エスプレッソはエスプレッソマシンのような専用の機器を使用することから、湯温は90℃程度です。
反対に、ドリップコーヒーはお湯で淹れるほか、「水出し」といった手法も使われます。
湯温が低くなればなるほど、カフェインの量は少なくなり、高くなるほどカフェインの量は多くなります。
そのため、エスプレッソもドリップコーヒーも、同じくらいの湯温で淹れた場合は差がほとんど出ません。
水出しの場合のみドリップコーヒーの方が、カフェインの量が少なくなります。
4.抽出量による違い
コーヒーの抽出量が多くなるほど、カフェインの量も増えていきます。
1杯分で換算しますと、エスプレッソは25cc~30cc、ドリップコーヒーは120cc~140ccの抽出量です。
ということは、ドリップコーヒーの方がカフェインの量が多いということになります。
ただし、「同じ量の抽出量」と仮定した場合、どちらがカフェインの量が多いということは、単純に比較はできません。
5.抽出する時間の違い
コーヒーは、抽出する時間が短くなるほど、カフェインの量が少なくなります。
3分程度かけて抽出するドリップコーヒーよりも、20秒~30秒という短時間で抽出するエスプレッソの方がカフェイン量は少ないということです。
エスプレッソとドリップコーヒーの違いまとめ
以上、エスプレッソとドリップコーヒーの違いについてまとめました。
エスプレッソとドリップコーヒーの違い
- ドリップコーヒー:紙製や布製のフィルターを使って、お湯を注いで3分程かけて淹れるコーヒーで、スッキリとした風味やまろやかな風味が特徴
- エスプレッソ:エスプレッソマシンを使って、90℃程度のお湯で20秒から30秒間という短い時間で淹れるコーヒーで、濃厚なコクと旨味が特徴
- カップ1杯あたりで換算すると、エスプレッソの方がカフェインが少ない
ちなみに、当サイトで紹介している「 ドルチェグスト 」は簡易コーヒーマシン、「 ネスプレッソ
」は簡易エスプレッソマシンです。
どちらも手軽に美味しいコーヒーが作れますので、自宅でコーヒーを楽しみたい方は是非試してみて下さいね!