コーヒーカップには様々な種類があり、形状や厚み、素材や容量などで分類されています。
ここでは、コーヒーの種類ごとに使われるカップやそれぞれの違いについて解説していきます。
この記事の目次
コーヒーカップの大きさや形が違う理由とは?
コーヒーはアメリカやイタリアなど、それぞれの国の飲み方が日本に伝わりました。
そのため、コーヒーカップも伝わった国に合わせたものを使うようになっています。
同じようにカップを使う飲み物として紅茶がありますが、実は紅茶のティーカップとコーヒーカップにはわかりやすい違いがあるのです。
ティーカップは飲み口が広めに作られている一方で、コーヒーカップは飲み口を狭く小さめに作られていることが多くなっています。
その理由として、紅茶は95℃と温度が高く淹れられることから、少しずつ少しずつ冷ましながら飲むことを考えて、ティーカップは広めの飲み口となっています。
また、紅茶の芳醇な香りを鼻からも楽しむという用途や意味も込められているのです。
一方コーヒーは、紅茶よりも低めの85℃~90℃程度で淹れるため、すぐに冷めないようにコーヒーカップの飲み口を狭く小さくなっています。
香りの楽しみ方も、紅茶のように飲む前というよりも、飲んだ瞬間に口から鼻にかけて広がる香りを楽しむという違いが、カップの形状に表されています。
コーヒーカップの種類と違い
レギュラーカップ
喫茶店で「ブレンド」などのコーヒーを注文した際に、使われることが多いカップです。
カップに取っ手がついており、ソーサーと呼ばれるお皿とセットになっていることがほとんど。
容量は120mlから150mlのものが多く、ドリップコーヒーの分量の目安である120から130mlに合わせられていることと、コーヒーが冷めないうちに飲んでもらいたいということから、このタイプのカップが用いられています。
陶器製や磁器製が一般的ではありますが、中にはガラス製などのカップもあります。
飲み口による違いや厚手や薄手といった違いがあり、お店によっては、コーヒーの風味ごとにカップを選ぶこともあるようです。
例えば薄手で飲み口が広めのカップであれば、酸味があって軽めの味わいや、先に苦味を感じやすいことから、それを活かしたキリッとした味わいのコーヒーに向いています。
厚手でなおかつ飲み口がストレートなカップなら、深煎りならではのコクと苦味を味わうのに向いています。
エスプレッソカップ
1800年代初頭のイタリアで誕生し、アメリカを経由して日本に伝わったエスプレッソを飲むための専用のカップです。
エスプレッソは、エスプレッソ用に細かい粉状に挽かれた豆を、エスプレッソマシンと呼ばれる機器を使用して20秒から30秒の短い時間で淹れるコーヒーです。
ドリップコーヒーよりも使う豆の量が少なめですが、コーヒーの油分も含まれる製法のため、深みのあるコクと旨味、苦味や甘味や酸味の絶妙なバランスが特徴となっています。
エスプレッソとドリップコーヒーの違いについては、「エスプレッソとドリップコーヒーの違いまとめ」にて詳しく紹介していますので、気になる方は参考にしてみて下さいね。
エスプレッソカップは他のカップと比べてカップの大きさが小さめであり、20mlから30ml、または45mlから60mlのものがほとんど。
カップに小さめの取っ手がついており、飲む時はその取っ手をつまむようにして飲みます。
エスプレッソはそのまま飲むこともありますが、本場のイタリアでは、食後に砂糖を入れて飲むことが一般的なようです。
日本では、ミルクをたくさん使ったカプチーノやカフェラテとして飲むことが多いかもしれません。
デミタスカップ
デミタスカップはエスプレッソがちょうど2杯分入る程度の大きさのカップです。
容量は60mlから90mlで、ソーサーつきにて提供されます。
デミタスはもともとフランス語の半分を意味する「デミ」と、カップを表す「タス」を合わせた言葉。
コーヒーのレギュラーカップよりも小さめのカップという意味合いで使用されています。
エスプレッソの他、トルココーヒーやココアで使われるカップであり、カップとしての用途の他、砂糖やジャムの入れ物として使われることもあるようです。
マグ
日本ではマグカップと呼ばれて親しまれていますが、マグカップは和製英語であり、英語圏では「マグ」と呼ばれています。
容量は200mlから250mlと多めであり、大きめの取っ手がついているのが特徴です。
多めのドリップコーヒーやアメリカンコーヒー、カフェオレやココア、ホットミルクなどを飲む時に使われます。
他にも、ポタージュなどのスープや、ヌードルを食べる時に使うこともあります。
家庭用などに使われることが多く、オフィスでの休憩時や食事中に多く見かけるカップかもしれません。
素材や色が豊富なため、プレゼントに使われることもあるようです。
カフェオレボウル
出典:http://www.zakka-kokon.com/
レギュラーコーヒーに牛乳を同時に入れて作る、カフェオレで使われるカップです。
持ち手がないため、両手でカップを包むように持って飲みます。
カフェオレをパンにつけて食べる人が多かったことから、この形状になったという説があります。
容量は200mlから250mlと比較的多め。カフェオレ以外にもシリアルと牛乳を入れて食べる時に使用することもあり、料理用のボウルとして使われることもあるようです。
カプチーノカップ
エスプレッソにミルクを加えた、カプチーノやカフェラテにて使われるカップです。
ミルクを使用することが前提となっているせいなのか、保温効果を高めるために比較的厚めに作られているのが特徴。
あらかじめラテアートをすることを考慮して、カップの飲み口を広めにしたり、ミルクをカップに注いだ際に美しく流れるようにするために、カーブさせたデザインのものが多いようです。
タンブラー
もともとタンブラーというのは、取っ手のついていない筒状のグラスなどの容器全般を指すものでした。
しかしスターバックスの影響で、コーヒーカップの一種として認められるようになったようです。
容量は、マグカップと同じくらいの200mlから250mlのものから、より大容量の470ml程のタイプもあります。
番外編:アイスコーヒー用のコーヒーカップ
日本の喫茶店でアイスコーヒー用として使われる銅製のカップです。
アイスコーヒーは日本で1891年(明治24年)に、東京神田小川町の氷屋にて、「氷コーヒー」として提供されたのが文献として残っています。
ただし、アイスコーヒーが喫茶店などのメニューとして普及し始めたのはもう少し後の1970年代以降のようです。
銅製のため、ヒンヤリとした冷たさがカップ全体に伝わることから、触れて楽しむカップでもあります。
熱伝導の良さのため、ホットで使われることはほとんどありません。タンブラーの一種として紹介されるケースもあるようです。
コーヒーカップの種類や違いまとめ
以上、コーヒーカップの種類や違いについて解説しました。
コーヒーカップ | 用途 | 容量 |
---|---|---|
レギュラーカップ | ドリップコーヒー | 120~150ml |
エスプレッソカップ | エスプレッソ | 20~60ml |
デミタスカップ | エスプレッソ | 60~90ml |
マグ | ドリップコーヒー カフェオレ ホットミルク等 | 200~250ml |
カフェオレボウル | カフェオレ | 200~250ml |
カプチーノカップ | カプチーノ カフェラテ等 | 150〜180ml |
タンブラー | ドリップコーヒー等 | 200~470ml |
今まで何となくコーヒーカップを選んでいた方も多いかもしれませんが、自分の好みに合わせてカップを選ぶと、よりコーヒーを楽しめます!